トーキョーエレジー

東京でひとりで飲んで、眠気を抱えたまま小田急線に乗り込むの、最強すぎるでしょ。っていっても私がこれから向かうのは、住み慣れた汚い我が家ではなく、綺麗なホテルのシングルルームで。私の家は10時に下北沢を出るようでは今日のうちに辿り着かない場所にあるのです。東京コンプレックスは相変わらず私の中に根付いている。東京で大学生活を送りたかった願望は未だに強い。これはきっと私の努力じゃ解消できないし、どうにもならんのだな。東京で生活を営む大学生に一生嫉妬し続ける。一生逃れられない。いまから大学に入り直せても、それは欲しかった記録にならない。私が欲しかったものは、今更取り返せないし、こんな風に文章化しても何の意味も持たないし、死ぬほど情けないけど、私はまだ消化できていなくて、気軽に東京に遊びに行けるようになったいまも、上京する度に東京で生活を営む人たちに対する感情が制御できない。なんでこんなに東京に固執するのかもわからなくなってきたし、東京で暮らす自分も想像できない。気持ちの収まりどころが見当たらない。ただ、これからもしばらく東京の幻影に囚われていくのだと思うと、ゾッとするしうっとりともする。私は東京に夢見ることを止められない。どんなに魅力的な都市にいても、私自身がこのままじゃ、何の意味も持たないんだって知ってはいる。気づいてはいる。