寂しい深海魚

夜の道を自転車でのろのろ走ると深海魚になったよう。なまあたたかい空気は重苦しくて、水の中をかきわけていくみたいに進んでいかなくてはならない。空を見上げると月に薄靄がかかっていた。海の底から見上げたかのようだった。中途半端な泣きべそをかいた私は、どこか深みに沈みたいなあと思いながら家路を辿った。明日は会社に行きたくない。