しかたがないこと

就活は本当に本当につらかった。そもそも自分の考えを人前でしゃべるなんてことから逃げてて来た人間だ。注目されるのが嫌だった。外見を多くの人の目に晒すことも、私と言う人間の中身を知られることも嫌だった。

まともな思考回路を持っていなかった。人並みの愛想もなかった。はきはきとしゃべることすらできなかった。

うさんくさい自己PRを、しどろもどろで話していた。絞りだしたそれは、決して嘘はついていないが、説得力に欠けていて話していくうちに意気消沈していくような種類のものだった。自滅。

同じ就活生たちの、堂々とした態度!いきいきとしたアピールポイント!彼らは本当に、さきほどまで街をダルそうに歩いていた人間と同じなのだろうか?

 

逃げたくて逃げたくて嫌々になって、その結果がこれ。もしも戻れるなら、戻りたくないけど戻りたい。でも、きっとまた同じ失敗を繰り返す気がする。だって私は去年から何も変わっていない。それどころか、方向を間違えたままこんなに歩いてしまった。

変わりたいって何回思っても私は私なんだなあって、諦めるなら他に身の振り方があるのかなあ。しかたがないってそんな自分を受け入れられたら、それこそ私じゃない。