よる

 この5年間はなんだったのだろう。なぜ入学当初から全ての選択肢を放り投げてしまったのだろう。なにをあきらめてしまったのだろう。100%の望みを叶えることは不可能だとしても、許されていたことは十分過ぎるほどあったことにどうして気付けなかったのか。一つを否定されたからって全否定されたことにはならない。あとからならいくらだって言えるし批判できる。渦中でそのことに気付けなかったのが私のすべて。いまからじゃ巻き返せるようなことじゃない。巻き返そうとしても今まで纏い続けた鎧を脱ぐ力はない。充実した時間を過ごしつつある人たちを恨めしそうに見るだけだ。なにをしたって堂々とさえしていればいいのだ。所詮大学生活なんて一部を除いて親の金で時間を買ったのだから、世間の人に何かを言われる筋合いはない。でも私は両親に自分の現状を堂々と伝えられない。おわりだ