真夏の暗雲

 頭の中で夏の計画を立てた。空想の域じゃなくて、きちんと実行できるもの。楽しみだな―。もちろんひとりだけれど。

 ひとりはすきだけど、誰かといることも好きで、でも私と時間を共有してくれる人はいないから、ひとりで余暇を過ごすしかない。ひとりでした方が楽しいことも、誰かと一緒にした方が楽しいこともあるよね。最近は会話力のなさを痛感して、同時に誰かと話がしたくてたまらないけど、私のために時間を割いてくれる人はいないんだな。探そうとしていないだけかな。どうやったらみつけられるんだろう。こうやって今までの人生の薄っぺらさが浮き彫りになっていく。

 

 

 

 面接で頭が真っ白になって言葉を紡げなくなった。緊張だけじゃない。近しい人に必要とされていない人間がもっと大規模なところから求められるはずがない。面接官に四方から見透かされている。取り繕った衣を剥かれるだけかれて丸裸にされて、あとはポイっと捨てられるだけ。引っかけてももらえない。このままの自分でいたらいけないことだけははっきりしている。だけど今までの生き方をあと数カ月で覆すことなんてできるのかな。