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 一つ歳を重ね23歳になった。全くめでたくもなく嬉しくもなく、逃げる余地が狭まっていく事実に身震いした一日だった。歳を重ねるごとに背負うべき責任が増えていくのに、私にはそれを全うできる能力が身についていない。無駄に日々を過ごすだけ。これからしばらく23歳学生NNTという社会的存在として生きていくわけだけれど、この字面が与える鼻つまみ者感はどうやっても拭えないだろうね。13歳の時は、23歳の自分が浪人したわけでもでも院進学組でもないのに大学に残ってるなんて考えもしなかった。きちんと大学を卒業してどこかに就職している予定が、実りのないモラトリアムを過ごしている。この居心地の悪い楽園からは、来年の4月1日には追い出されることになるだろう。それまでにきちんと次の居場所を探せるのだろうか?

 期待してたわけではないが、誕生日だからっていいことは起こらなかった。相変わらずメールフォルダにはDMばかりが並ぶ。またひとつ祈られたり4回くらい転びかけたりカップルをやたら見かけたりした。こんなの日常の範囲内なのに必要以上にがっかりしてるってことは、実は私は今日を特別な日だと思っていたのかもしれない。自分なんか嫌いだし、この年になっても生まれてきたくなかったと考えてしまうような人間でも、何かを信じたくなってしまいたくなるんだな。その何かは起こらなかったけれど。