出鼻くじかれる

 自転車に乗ったら壊れた。シンプルな理由で遅刻決定。一時間に一本はバスが出る時間帯で、乗ろうとしたバスは講義時間に余裕を持たせたものだから、次のバスに乗っても10分程度しか遅れないのが救い。田舎ってすごいでしょ。自動車を持たない人に人権と自由はない。もう今日はサボタージュしたいおふとんにかえりたい勢いだけれど、単位をあきらめるわけにはいかないのでぐっとこらえる。

 自転車が壊れたのは、どうやら母が使ったときにペダルをこぎながらギアを変えたことが原因のようだった。元々弟の自転車で、私の自転車が今タイヤがパンクしているから借りている。以前弟が自転車を壊したときに、こぎながらギアチェンジはアウトになった。母はそのことを知らなかったから仕方がない。走りながらギアチェンジができないなんて不便極まりないし、ギアがついている意味があるのだろうか。私はそのことを知っていたから、ギアを変えたい時はいちいち止まっていた。思い返すとなんて間抜けな光景だろう。無機物そのものに進化を求めたって無意味なのはわかっているのに、気合いでなんとかしなさいよと思ってしまう。ほんとうに疲れた。一日の初め、週の初め。なにもかもがうまくいかないんじゃないかという不安が霧のように心の中に立ち込める。この災難のあとに講義を三つ受けて、後回しにした諸々を片付けて、往復4時間弱を移動時間に費やさなくてはいけない。一日は長いな。