あぶく

 しんどいなあって思ったときにそれを誰かに伝えるのが苦手だ。うまく自分の実情を伝えることができなかったし、それが原因でずれた解釈をされてしまいがちだったし、何より面倒くさい奴だと思われるのが嫌だった。他人は私のそういった内面に思いを馳せてはくれないことを薄々感じていた。なりたい自分と現実の自分はひどくかけ離れていて、他人からの欲しい評価も勿論得られない。年齢を重ねるごとになりたい自分に自分を近づけていくことが上手くなるのだろうけど、わたしは年々へたくそになっていく。今の私は誰かに求められるような人間には程遠い。

 

 ひとりで涙を流すという選択肢しか持たない私は酷く惨めな人間だろう。この人望のなさは笑っちゃうくらい滑稽だ。ひとしきり泣いて落ち着いたら、笑えるしおなかも空くし、とりあえず眠れないなんてことはない。明日もまた活動できる。ひとりで泣いたって支障はない。でも、ほんとうに?何度もひとりで落ち込んで、開き直って、壊れることはなかったけど、状況が打開することもない。事態は悪い方へと進んでいる。方向転換しなきゃいけない時期なのに、ひとりではその方向を見定めることすらままならない。ひとりじゃなにもできない。そのことを自覚したとして、誰を頼ればいいんだ?つらいつらいつらいだれかたすけてでも自分を曝け出すことなんてできない受け止めてくれる人なんていない。お前はひとりでむせび泣いてるのがふさわしい。